ひきこもり型不登校

ひきこもり不登校
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ひきこもり不登校とは?

不登校の子の中で、部屋にひきこもる子どもがいます。不登校=ひきこもり、ではありません。不登校は学校を年間30日以上休んでいる子を言います。だから、学校へは行かないけど、家では普通に過ごしています。外出もできます。一方で、不登校で自分の部屋から全く出ない完全引きこもりの子がいます。あるいは、家の中では自由に過ごして、家族と会話もあるけど家からは出ない子もいます。不登校のひきこもりについて、タイプ別、種類別、そして、解決方法について話していきます。

ここでは特に自分の部屋から出て来れない引きこもり不登校の子について主に話していきます。このタイプの子が最も深刻だからです。一刻も早く救ってあげないと、精神的な病気になったり、学校へ戻すことではない生命の危険にまで及んでしまう可能性もあります。

私たちが今までに1万以上の不登校の子どもたちを調査して、不登校の30人に1人~2人がひきこもり状態になっています。逆に言えば、多くの子は普通に家で過ごしています。

ひきこもりの種類と心理

ひきこもりの状態には、5つの原因・タイプがあります。「親への反発」型・「昼夜逆転」型・「ゲーム依存」型・「親子関係逆転」型・「精神不安定・病気」型に分かれています。これらの詳しい状況と、について詳しく見ていきます。

引きこもり不登校の心理状態は、明確です。「誰か助けて!」という思いを心の中で叫んでいます。寂しくて、孤立していて、誰も自分の気持ちを理解してくれない事を嘆いています。味方であるはずの家族でさえも理解してくれない、いや、理解できないんだと諦めています。

この心理状態を頭に入れて、これから接していかなくてはいけません。

ひきこもりの子どもと会話ができないお母さんは「メモ」「メール」で指示が子どもからやってきます。食事を子ども部屋の前に置いておくと、数時間後メモと一緒に、空の食器が置いてある。それの繰り返しで、親自身が疲れてしまい、子どもを恐れてしまっています。家庭内暴力が伴う引きこもりもあります。

不登校の中学生・高校生別の引きこもりの数は文部科学省は調査していません。そこで、日本全体のひきこもりの数について少しみていきます。これは総務省が発表している「労働力調査」というものです。ひきこもりという言葉ではなく、「若年無業者」と呼んでいます。

若年無業者の数

 

2 ひきこもり

「ふだんは家にいるが,自分の趣味に関する用事の時だけ外出する」者を含む広義のひきこもりは,69.6万人と推計。

内閣府が平成22(2010)年2月に実施した「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」18によると,「ふだんは家にいるが,近所のコンビニなどには出かける」「自室からは出るが,家からは出ない」「自室からほとんど出ない」に該当した者(「狭義のひきこもり」)が23.6万人,「ふだんは家にいるが,自分の趣味に関する用事の時だけ外出する」(「準ひきこもり」)が46.0万人,「狭義のひきこもり」と「準ひきこもり」を合わせた広義のひきこもりは69.6万人と推計される。

引用先:http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h27honpen/b1_04_02.html

このように15~39歳までで、70万人近い人が「ひきこもり=若年無業者」となっています。40歳以上を加えれば、100万人は簡単に超えていくそうです。このように、ひきこもりで苦しんでいる人は日本中に居ます。この大人の引きこもりを診察している精神科医の先生たちは、「大人の引きこもりの大部分は、中学・高校の不登校からスタートしている」と言われています。

①親への反発

ひきこもりになる不登校の子で多いのが「親への反発」をきっかけとしたものです。口喧嘩、言い合いの延長戦で会話がなくなります。思春期=反抗期の不登校の子にとっては、親へ強く当たるのが普通になってしまっています。親としては、学校は戻るのが当たり前。学校へ行かなくても勉強するのは当然。そういう正論を言います。

しかし、不登校の子は「学校へ行きたくても行けない」ために、不登校になっています。学校へ行くのが義務であり、当たり前、当然だと理解しています。それでも行けない。そういう状況で苦しんでいます。親のプレッシャーが強いとイライラのエネルギーを上手に処理できず、反発で発散しようとします。

特にプライドの高い子は、自分の発言や行動を転換する事ができません。そのため、親と口を聞かないと決める、ご飯は食べないと言ったら、それを守らないといけないんです。自分の発言を撤回するのが恥ずかしいと思っています。引くに引けなくなっています。

この状況にまで追い込んでしまうのは、親の不登校への無理解が招いていると言えます。これは多くの専門家の先生達も認めるところです。不登校そのものは親が原因ではありませんが、不登校の子の精神状態は普通の状態ではありません。それを理解して対応、接してあげて声掛けしてあげないといけません。

②昼夜逆転

不登校の子の中で「起立性調節障害」になっている子がいます。朝起きることができなくなり、お昼過ぎに起きてくる、夕方起きてくる。その繰り返しで、昼夜逆転していきます。昼夜逆転してしまうと、家族とは真逆の生活をするようになります。夜に活動していることは、不登校の子には恥ずかしい、申し訳ない感情があります。これは多くの不登校の子ども達が実際に話してくれています。

だから、恥ずかしい感情がなるべく親や家族と顔を合わさない心理状態を生みだしていきます。その思いが増加する事で、より昼夜逆転から抜け出せなく、家族から離れて、自分の部屋で暮らす事になります。

昼夜逆転は体内時計・リズムを狂わせてしまうため、精神状態も少しずつ不安定になります。体調の面でも、日の光を浴びず、青白い顔になっていく。生気のない顔に変わっていきます。太る子もいますし、やせ細っていく子もいます。

③ゲーム依存

不登校になると、学校へ行かないために日中にやる事がなくなります。そして、学校の授業に遅れ、勉強が分からないようになる。すると、ストレスが一層蓄積されていきます。現実を直視しても、何も良い事がありません。そうやって不登校の子たちは言います。現実逃避しなくては、自分のストレスに打ち勝つ事ができなくなります。同時に親からのプレッシャーの影響により、親とも顔を合わせたくなくなります。

一番簡単に逃げられるのが「ゲーム」です。もちろん、ゲームだけでなく、パソコンの掲示板や動画・Youtube・チャット、スマホなど他の機器も同じです。

子どもがゲームに熱中している時の対応を間違うと、さらに子どものゲームの時間が増えていきます。理由は主に、親・家族が自分の苦しさを理解してくれない事です。現実だけを突きつけて、明るい未来・光を見せてくれない。ストレスはどんどん溜まります。そこからゲーム依存が深刻化していきます。

親を無視できる、現実から逃げて、ゲームの架空の世界に入り込む事ができます。そうすると、リビングにゲームがある子はいいですが、子ども部屋にゲームがある家庭では、そこから引きこもりがスタートします。ゲーム中に奇声を発したり、大声を上げたりするようになるとゲーム依存の状態と言えるでしょう。完全にゲームの世界に入り込んでしまっています。

不登校の子は常に現実逃避したい欲求に駆られます。それをゲームは容易に実現してしまいます。ある程度のストレス発散にはゲームも多少は必要です。それが家族との関係が悪化すると加速されます。

④親子関係逆転

不登校の子の状態が一気に悪化する1つに、親子関係が逆転することがあげられます。不登校になったばかりは、親も強い態度で子どもに接します。叱ったり、怒鳴りつけた経験のある人もいるでしょう。無理やり引っ張って学校へ行かせる家庭もあります。

しかし、どんな方法をやっても学校へ行かない。そこで、学校の先生やスクールカウンセラーや相談員にアドバイスしてもらいます。「不登校の子は、風邪をひいているのと同じだから、叱らずに優しく、ありのままを受け入れてあげて下さい。家の中ではなるべく自由に過ごさせてあげて下さい。」と言われたりします。

すると、今まで怒鳴りつけていた親の態度が豹変して、子どもを優しく、下から下から接するようになるのです。上から優しく接する分には良いのですが、間違って、下から接してしまう保護者がいます。自分の子育てが悪かったから、子どもが不登校になったと自責の念も入っています。気持ちはすごくよく分かります。

この時に親子関係が逆転してしまうのです。不登校の子は自分の力ではどうすることもできない状態にあります。親に助けてもらわないと学校へ行けません。親に絶大なる信頼を持っているのです。親の権威を感じていました。その親が突然、自分よりも下の立場のように振る舞い始めます。そこで、子どもの中で今までの秩序や家のルールや学校へ戻る希望などすべてが崩壊してしまうのです。

分かりやすく言えば、担任の先生がクラスの生徒よりも下手に回る状態。会社で社長が平社員よりも下の立場になる。考えられないですが、親子関係を親の方から崩してしまう人がいます。

親子関係が逆転すると、家の中のルールもすべてなくなります。ルールを守る必要がなくなります。そこからワガママ放題になり、さらには家庭内暴力へ発展する子もいます。精神も不安定になり、家中の壁が穴だらけ、部屋の壁がなくなる家庭もあります。だからと言って、本当に子どもの倫理観がなくなるわけではないです。子どもの中には罪悪感がいっぱいです。罪悪感よりも不登校のストレスの方が優ってしまう事で、現実から逃げる力が強く働きます。それで、ひきこもりへ発展していくのです。

不登校になろうとも、親子関係は今までどおり保ち続けなくてはいけません。そうしないと、家庭内が崩壊してしまいます。他の兄弟姉妹も不安定になっていきます。

⑤精神不安定・病気

ひきこもり不登校のきっかけが「精神病=うつ・パニック障害・対人恐怖症」という子がいます。これは精神不安定になり、そこからひきこもりへ発展して、さらにその状態によって精神病を発症するケースです。精神病を発症してからひきこもるよりも、引きこもった事で精神病になる子がほとんどです。

他には、潔癖症で常に自分の体をキレイで清潔に保とうとする状態の子もいれば、逆に、お風呂にも入らず、歯も磨かず、髪も伸ばし放題で、自分を汚くする子もいます。ひきこもり状態によって精神が悪化していく。

ある子は、精神科で処方された薬を服用して治療しています。その薬が少しずつ効かなくなるために、より強い薬を飲むようになります。同時に、薬の副作用も強くなります。朝起きる事ができなくなる子が多いです。それで少しずつ、自分の部屋で過ごす時間が多くなります。動く事が嫌になり、なるべく動かないように自分の部屋にいる。

ひきこもり解決法

ここまで5つのタイプの「ひきこもり不登校」を説明してきました。私たちが見てきた引きこもりの中で、精神病に由来しない不登校の子を改善する方法があります。原因の多くが「親子関係」の崩れからスタートしている事が分かると思います。親の意識、思いと不登校本人の葛藤・孤独感がズレてしまっています。これをマッチさせてあげることで、互いが思い合える、分かりあえる関係を結んでいく。そうすることで、ひきこもり状態から抜け出すことができます。

実際に、ひきこもり不登校のご家庭にアドバイスしているのが、「共感の会話法」です。この方法で一番早い方で、夜に会話して、翌朝から子どもがリビングで普通に過ごすようになったという例がありました。テンプレートに沿って同じようにやってもらうだけで、劇的に親子関係が改善します。

ひきこもり不登校の子は、「親は自分の事は理解できない。どうせわかってくれない。」と考えています。その気持ちを変えてあげない限り、部屋からは出てきません。不登校の葛藤・孤独感に共感してあげることで、「この人はやっぱり、わかってくれるんだ。」と安心感を持つようになります。それが私たちが開発した「共感の会話テンプレート」です。ぜひ使ってみて下さい。この会話方法で、ひきこもりから子どもを救って下さい。

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