不登校の子ども達が動き出した特別な会話法
不登校向け「共感の会話法」を行うことで、次々に動かなかった不登校の子どもたちが動き始めています。学校へ不登校の子が自分から動き出す事はほとんどありません。不登校の子は様々な不安を待っているので、自分から動き出す可能性はとても低いです。かたくなに閉ざした心を解放して、笑顔に戻してあげる会話法をお教えします。
不登校の子は、いろいろな不安から朝起きる事も出来ず、起立性調節障害となります。登校刺激をしても反発ばかりが続きます。親子関係も悪化して、ひきこもる子もたくさんいます。家庭内暴力に発展している家庭もあります。これらもすべて「共感の会話法」を使う事で解決していくことができます。
待っても不登校が動かない最大の理由
不登校の子は7つの大きな不安を持っています。学校を休む罪悪感、親のプレッシャー、友達関係の不安、勉強が遅れた不安、将来に対する不安など、1つの不安ではなく、多くの不安が重なってストレスになっています。不登校になった後の方が不安は大きくなるのです。『不登校の7つの心理とは?』で解説しているので、参考にしてみて下さい。
これらの不安を解消しなければ、子どもは学校へ戻ることはありません。しかし、あらゆる不安に対応しようとしても、家の中に居る以上は不安が消えることはありません。その中で、唯一、消す事ができる不安があるのです。
親のプレッシャーが一番の不安・恐怖感
子どもが抱える不安で一番大きなものは、「親のプレッシャー」です。子どもという存在は、親がいなければ生きていくことができません。本能的にも、物理的にも親から拒否される事は危険な事です。だから、子どもはいつも親の方を向いて生きています。具体的には、反抗期を終えて、経済的に自立するまでです。
「親が学校へ行く事を望んでいる。」「親が良い成績を取る事を望んでいる。」「親は良い子になる事を望んでいる。」
子どもの心の中は親で満たされているのです。だから、親の意志とは違う不登校の状態にあることは、すごくプレッシャーになっています。ですから、あなたがしなければいけないのは、不登校の子どもが抱える親への不安を解消してあげる事です。親へのプレッシャーがなくなれば、子どもは学校へ戻る気力が湧いてくるのです。
共感の会話法5ステップ
親のプレッシャーを取り除くためには、子どもが親に対して親近感、つまり、共感の意識を持たなければいけません。これは友達のように同等になるということではありません。
「親は自分の事が分かってくれている。」その気持ちにさせてあげることでしか、不安は解消できないのです。一方的に親が子どもに寄り添っても、その感覚にはなりません。「親も自分と一緒なんだ。」と少しでも思う事ができれば、通じてくるようになります。
この会話法の目的とは?
ですから、この会話法の目的は「子どもが親に共感させる」事です。
その第一段階として、親が子どもに共感することです。この目的を見失って、一方的な愛情だけを注いでもプレッシャーは消えません。むしろ、子どもに寄り添い過ぎる事で親子関係が逆転してしまって、家庭がぐちゃぐちゃになってしまう人が後を絶ちません。
それでは、具体的なステップに沿って、共感の会話法を実践してみて下さい。
ステップ1:「私は、あなたの事を信じているよ。安心してね。」と言う。
子どもは不登校になってから、ダメな子どもである自分を責め続けています。自信を失っているわけです。そこで、まずは親が子どもの存在を認めてあげることを伝えてあげて下さい。特に、男の子は父親、女の子は母親です。たとえ、親のあなたがどんな感情でも、子どもは孤立した感情を持っています。だから、「信じている」って事をしっかりと言葉で伝えてあげて下さい。
実際、全国各地のお母さん方は、話すのが難しい部屋にひきこもっている子に対して、ドア越しにこの言葉を掛けたり、あるいは、手紙で文字にして置いておく事で、改善しましたよ。
ステップ2:「いま、一番、気になっている事は、何かな?」と問題点を聞く
子どもの心で引っかかっている事に対して、共感をして行きます。これはどんな些細な事でもいいのです。学校の事である必要はありません。何か問題点を聞く事で、子どもの現実にあなたが入っていきます。私たちが大人目線で考えている問題と、子どもが考える問題は大きく違います。
学校のことを言ってくれるのを期待してはいけません。また、神妙な顔で聞く事も無いです。気軽な感じで聞いて下さい。目的は共感する事で、学校へ戻す事ではないからです。
「何も気になってないよ。」と言われた時は、それで話を終えて下さい。無理に広げる必要はないです。また、2,3日時間をおいてから、再び聞いたらいいです。無理やりステップ5まで終えよう焦れば、子どもの心は離れてしまいます。
ステップ3:「どう感じている?」と感情を聞く
ここで、理性的な回答を求めたステップ2から、感情的な回答を求める質問に切り替えます。共感は感情でするもので、理屈や理性でするものではありません。ステップ4に繋がる大切なステップです。
ステップ4:「そうだよね、わかるよ。」と言ってあげる
ここで、あなたは「共感」の態度を示して下さい。たとえ、あなた自身は子どもの言った事に関して、同じ感情になっていなくとも、子どもがそう思っているのだから、それに共感してあげるのです。「同情」するのではありません。あくまで、感情を理解しているという態度を示してあげます。
もし、「何も感じていない。」と言った時にも、「そうだよね、わかるよ。」と言って下さい。無理やりに意見を聞き出す必要はないです。無言だった時も、「そうだよね、わかるよ。」と言ってあげて下さい。
ステップ5:「似たような経験・感情」について話す
最後に、子どもの方から共感してもらう会話をします。ステップ4までは、親が子どもに共感しました。これでは、一方的なものでしかありません。子どもから共感してもらうのです。「親である私も、子どものあなたと同じような感情になった事があるんだよ。」のだと伝えてあげる。それが強烈な信頼感を生みます。同じように不登校になった経験はないです。しかし、孤立感を味わったり、悔しい感情であったり、人に裏切られたり、似たような感情になった経験はあるはずです。それを話してあげます。
特に小学校から高校の間での出来事を話すといいです。大人になってからの事は、子どもはよくわからないからです。学校での出来事や、あなた自身が親に対して思っていた感情=「分かってくれない親」というのを伝えてあげると効果が高い事が分かっています。
共感の会話が上手くいかない人向け『共同作業法』
多くの不登校のご家族は、この共感の会話法で親子関係を改善する事ができています。しかし、中には、不登校になってから、あまりにしつこくガミガミ言ってしまい関係が崩壊している場合もあります。あるいは、子どもがすごく頑固でワガママになって感情的に高ぶっている時もあります。精神的に不安定過ぎる状況では、共感の会話も上手くいかない時があります。あるいは、話すのが苦手な親御さんもいらっしゃいます。共感の会話法が上手くできた方も、この「共同作業法」をやってみてほしいと思います。
共同作業法で一気に親子関係を改善する!
共同作業法は、名前の通り、子どもと親が一緒に活動・作業する事です。例えば、不登校の子はゲームをやったり、パソコンをしたり、動画を観たり、漫画を読んだり、何かやっています。それを親のあなたが歩み寄って、一緒にやっていくことです。
例えば、ゲームをやっている子どもの横に座って、「それどうやってやるの?教えて、お母さんもやってみたいの」と言って、子どもと一緒の事をやってみるのです。
ゲームをやる事をいつも怒っていると、子どもはゲームをやる事で親に反発しています。それを親の方からゲームをやろうとする事で、子どもは「この人はわかってくれる人なんだ。」と思うようになってくるのです。あるいは、スマホのゲームや動画でも、小説でも、漫画でも同じです。親のプレッシャーから逃げて、そういうことをやっています。それを共同でやっていく事で、親のプレッシャーから解放されるようになります。
低学年の小学生のお子さんの場合、トランプなどを一緒にやるだけでも違います。ある方は、将棋を一緒にやって子どもの態度が急変して、笑顔が戻ってきました。
今すぐ、「共感の会話法」「共同作業法」を実践して下さい!
この2つの親子関係改善の方法は、とても効果があります。すぐに不登校の子どもの笑顔が戻ってくるので、驚かれるお母さん方がたくさんいらっしゃいます。そして、親子関係が改善した事で、子どもに自信が戻って来て、学校復帰をしたい、と言い出す子もたくさんいます。
親のプレッシャーが不登校を長期化させています。子どもの抱えている親への不安をしっかりと取り除いてあげないと、ずっと不登校が続いて行くのです。そして、ひきこもり生活へ発展します。
より詳しい事例は「不登校メールマガジン」でもお話しているので参考にして下さい。