不登校の7つの心理とは?

不登校の心理
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不登校の7つの心理

「不登校のわが子が何を考えているのか分からない…」と言われる保護者の方がたくさんいます。学校へ行くのが当たり前だった世代にとって、病気でもないのに学校を休む心理が理解できないわけです。それは当然の感情だと思います。不登校の子どもが持っている7つの心理について話します。不安や恐れなど、不登校の心理を理解することで学校復帰が可能になります。

私たちは毎年、不登校として入学・転校してくる生徒たちにアンケートを取ります。そして、不登校を完全に克服して卒業する時にもアンケート調査・インタビュー調査をします。不登校だった時と、それを抜け出して冷静に判断できるようになった時の2回調査する必要があります。ここから、本当の不登校の子どもの持つ本音が聞きとれます。

不登校の本音

「学校に行きたくない理由はない。しんどいだけ。」と言う不登校の子がいました。これは本音だと思います。多くの子たちが同じような事を最初言います。ある子は、

「俺は出口の無い無限ループにいる。犬が自分のしっぽを追い掛けてるように答えがいつまでも見付からない。誰も俺の事は理解出来ないと思う」

「学校で気をつかって疲れた。自分は消しゴムのかすのようで消えてなくなりそうだ。」

と表現する子もいます。感性が繊細で豊かなのが、この子たちの言葉で分かると思います。不登校の子の持つ7つの心理状態について話していきます。

1:学校へ行きたい

実は、不登校の子たちは「学校へ行きたい」と思っています。学校が嫌なんです。行くと辛い事が待っている。我慢しないといけない。でも、友達にも会いたいし、勉強もしたいし、何よりも寂しさがあります。本当の本当は学校へ行きたくて仕方ありません。

学校へ行きたくないのだとしたら、休んでいることは嬉しいはずです。苦しくないですよね。それなのに、家に居て笑顔もなく苦しい表情を見せているのは、本当は学校へ行きたいからです。「学校を休む罪悪感」を強く感じています。その気持ちを理解してあげましょう。

2:親が恐い

不登校の子に限らず、子どもは誰でも親の顔色を常に伺(うかが)っています。親が恐いのです。なぜ恐いのか?それは、子どもは親に見捨てられたら生きていけないからです。その恐怖心を持っています。この気持ちは、どの人も持っているはずです。

親が学校へ行って欲しいと願っている気持ちは、子どもはわかっています。でも、行けないのです。そして、毎日、親から「学校はどうするの?行くの?行かないの?」と聞かれて、苦しいのです。「行かない」と言ったら親から見捨てられる。でも、嘘は言えない。だから、黙るしかないのです。そうやって、親のプレシャーを受け続けると朝起きることができなくなります。親に顔を合わせるのが恐くなるのです。「起立性調節障害」になる子もいます。さらには、「昼夜逆転」へ発展して自分の部屋に「ひきこもり」になる子も出てきます。

親にとっては信じられない気持はわかります。しかし、子どもは必要以上に親を怖がっています。このことは、子育てでも意識しておく大切な事です。

3:勉強の遅れ

授業に参加できず、勉強が遅れている事は、不登校の子にとっては気がかりです。学校へもう一歩踏み込めないのも、勉強に遅れている意識が強いからです。実際、私たちの学校へ来る子ども達の多くは入学当初は、全く自信がありません。自分自身に対してもそうですが、勉強に対してもです。だから、自分は大学なんて行けるわけがないと思い込んでいます。

しかし、不登校で勉強が遅れていても大学へ行く事ができる。そのためのことを高校3年間でやってみよう!と話すと、やる気を出してくれて遅れを取り戻してくれます。

不登校の子は賢くて真面目です。だから、少々の遅れはすぐに取り戻してしまいます。心配する必要はありません。でも、子どもは勉強、授業に遅れていることで学校へ戻ってもおいてけぼりになると考えています。

4:学校の先生が恐い

不登校の子は学校の先生も恐がっています。理由は、学校=先生という印象を持っているからです。行けない学校を象徴する、イメージする存在が先生です。家庭訪問をする先生、電話をかけてくれる先生から不登校の子は逃げます。子ども達に話を聞くと、「必ず、学校へ戻そうとする話をしてくるから嫌だ」と言っています。子どもへの理解なしに、正論を押し付けてくる感じがするらしいのです。

先生としたら、今まで学校生活を過ごせていたのだから、早く学校へ戻ってきてほしいです。その思いが強すぎる事を不登校の子は感じとります。そして、正論を言われたら何も言えません。学校へ行くのが当たり前なのは理解しています。だから、辛いのです。逃げたくなる。現実のストレスを一番感じるのが学校の先生です。

それでも家庭訪問をしてくれる先生は良い先生だと思います。とても忙しいのが先生ですから、その合間をぬって訪問してくれるのは理解のある先生だと思います。

だから、子どもが家庭訪問の時に部屋に逃げ込んで隠れてしまうのは仕方のない事です。子どもを騙して会わせようとすることは親子関係の崩壊に繋がります。子どもと話し合って、先生と会うかどうかを決めてからの方がいいでしょう。先生を怖がっている心理を理解していると違う対応ができるようになります。

5:友達関係への不安

クラスメイト・同級生を含めた友達関係の不安を子ども達は心配しています。おそらく多くの不登校の子たちは、自分が不登校になるとは想像していませんでした。だから、クラスや学年で不登校の同級生に対して、友達同士の中で批判、馬鹿にしていた。

そう言っていた自分が不登校になった事で、逆に自分がクラスメイトたちから馬鹿にされていることを知っているわけです。学校の事を思い浮かべると、ホームルームで先生を含めて、みんなが自分の事を笑っている光景がでてきます。その夢を見る子もいます。

家に迎えに来てくれる友達もいます。嬉しいのですが、来てもらっても学校へ行けないのが分かっているので、すごく申し訳なく思っています。同時に、家に来てくれない友達には嫌われていると思ってしまうのです。

学校へは行かないけど、休日に友達と遊ぶ不登校の子もたくさんいます。やっぱり友達と一緒に居ると寂しさ、孤立感から抜け出せるので嬉しいのです。一度、友達への恐怖感を持ってしまうと学校へ戻り辛くなってしまうので、なるべく遊ばせてあげるようにして下さい。教室へ戻るためには、クラスメイトとの関係性がとても重要になります。別室登校から教室へ戻すステップでは友達関係をうまく利用していきます。

6:クラブの先生・先輩・同級生・後輩の目

部活動は、子どもにとっては楽しくてストレスを発散できる場所です。ご存知のようにクラブ活動の生徒は一体感がとても強いです。そのため、不登校になってクラブへ来なくなって仲間に対しては厳しいです。「不登校=怠け」という認識を持っている生徒たちが多いです。クラブ顧問の先生が生徒をまとめる力があれば仲間になりますが、そうでないクラブでは皆が敵のように思えてくるのです。

不登校の子はクラブの仲間の目を気にしています。唯一、先輩や後輩と関われる活動です。そこで先輩に嫌われているとしたら、想像力がさらに働いて、学年が上の先輩は全員が自分を嫌って馬鹿にしていると感じてしまいます。

さらには、厳しい体育会系のクラブ顧問の先生であれば、より想像は恐い方へ向かいます。もう自分を受け入れてくれないのではないか、とさえ感じてしまいます。学校へ戻りたいけど、クラブがネックになっている子もいるのです。

7:将来への不安

不登校の子の将来に対する不安が最もよく出てくるのが高校進学の時です。受験して合格できる、できないということは抜きにして、最初から諦める子がたくさんいます。高校進学そのものをしない子も5人中1人います。すごい数です。そして、自分に自信がないため将来を悲観しています。それで、一番楽な学校を選択してしまう子もたくさんいます。

「ニートになって、働かず家にいる。」と言う不登校の子もいます。不登校になった事で周りから抜け出してしまい、みんなに置いていかれている、孤立している感覚に襲われています。

私たちが不登校の子を教育する時には、将来がどれだけ明るいかについても、よく話します。暗闇の中に居る不登校の子に希望の光を見せてあげなければいけません。不登校=ダメな子、だと不登校の子は思っています。だから、自分はダメで価値の無い人間。将来なんて存在しないと思い込んでいます。

不登校の気持ちを理解した対応

このように不登校の子は7つの違う心理状態を心の中に合わせ持っています。それぞれを理解してあげて、共感してあげる事がとても大切です。特に「親のプレッシャー」が一番強いと感じています。知らず知らずのうちに、子どもは親の存在を怖がっています。

反抗期と重なっていると、お母さんに対して強い態度で反抗する子もいます。それだけを見ると親のプレッシャーを感じているようには感じません。

しかし、その態度こそ、恐がっている証拠です。親の存在が不登校で駄目な自分を現実に引き戻そうとすることを嫌がっているのです。「どうしても学校へ戻れないのに、誰も理解してくれない。」このさびしい感情を理解してあげて下さい。この気持ちを理解してあげると、親子関係が改善して、言いたい事が言い合える仲になります。そこから学校復帰の話がでてくるようになります。

不登校の7つの心理を何度も確認しながら、子どもと接して下さいね。

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