学校の先生達も納得した「不登校の真の原因」

不登校の原因
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「なぜ、この子は不登校になったのか?」

不登校の原因が何なのか分からず、途方に暮れている保護者、親御さんがいます。また、原因を間違って認識してしまい、間違った対応をしている方もたくさんいらっしゃいます。実際、不登校ついては、様々な考え方があります。その中で、私たちが25年以上の不登校教育実績で発見した不登校の「真の原因」について話していきたいと思います。

「子どもに”どうして学校へ行けないの?何か嫌な事でもあったの?”と聞いても、”わからない”と言うだけで、原因が見つかりません。」と言われる保護者の方がとても多いです。

不登校を解決するには、原因、理由を知る事が最も大切です。例えば、私たちが病気になった場合、原因を考えずに薬だけ飲めば、一時的には回復します。しかし、原因を排除しないままだと再び病気になります。歯磨きをせず虫歯になった人が、歯医者で虫歯を治療しても、歯磨きをしない習慣のままだと、違うはが虫歯になりますよね。

同じように不登校も無理に学校へ行かせても、原因が解決していないままだと、再び不登校になります。しっかりと不登校の真の原因を理解して下さいね。

ポイント1:思春期(反抗期)が密接に関係している

不登校を私たちが様々なデータで分析したところ、思春期が起きる時期と関係している事がわかりました。まずは、下記の2つのデータをご覧ください。

不登校の学年別データ

不登校数

(引用:文部科学省「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(H26)より作成)

上のデータは、文部科学省が毎年発表している不登校数のデータをまとめた数字です。合計数が1段目です。2段目は、昨年から継続して不登校になっている子どもの数です。これを差し引くと、その学年で初めて不登校になった子の数が出てきます。すると、下記のようなグラフが出来あがります。

学年別の不登校数

小学校では学年が上がるごとに徐々に増加して、中学進学後に一気に上昇します。これを「中1ギャップ」と言われたりする事があります。そして、中1よりも中2でさらに増加します。もう一度言いますが、この数字は累計数ではありません。純増加数です。ですから、不登校は中1ギャップではなく、中2ギャップと言えます。もし、小学校から中学校へ進学して戸惑いがあるのなら、中1が一番多いはずです。しかし、本当は中学生活に慣れてきた中学2年生が一番不登校発生数が多いのです。

まずは、このデータを頭に入れておいてください。ここで疑問として浮かぶのは「なぜ、中学2年生で最も不登校が多くなるのか?」ということです。

反抗期データとの比較

ここで私たちが注目したのが「暴力事件」というデータです。こちらも同じく、文部科学省の発表した同じデータから作成しています。思春期=反抗期を迎えた子ども達の問題行動の1つが暴力といじめです。教育学では昔から、暴力行動は思春期と密接に関わっていると言われています。同じように学年別の発生数を表とグラフでご覧ください。

学年別暴力件数グラフ

学年別暴力件数

この暴力発生数グラフと不登校出現数のグラフがほぼピッタリ合うのがわかりますか?中学2年生をピークにして、グラフが山なりになっていますよね。ここに不登校の原因を紐解くヒントが隠されている事に私たちは気が付きました。つまり、不登校は「思春期」が原因だと言えるのです。では、思春期とは何なのでしょうか?

思春期とは何か?

具体的に思春期を定義するとどうなるのでしょうか?ここで私たちが話している思春期は「第二次性徴期」のことです。様々な機関が定義をしているのですが、世界保健機構WHOの思春期の定義内容をご紹介します。WHOでは、思春期を2つの側面から考えています。

1.二次性徴の出現から性成熟までの段階(11歳~18歳ぐらい)
2.子どもから大人に向かって発達する心理的な過程,並びに自己認識パターンの確立段階
3.社会経済上の相対的な依存状態から完全独立するまでの過渡期

(引用:世界保健機構WHO)

もう少し分かりやすい言葉に変えて不登校教育研究所の思春期の定義をしたいと思います。

『思春期とは、14歳をピークとして、11才~18才ごろにかけて、心と身体が子どもから大人へ成長・発達する時期のことです。大人になりたい自分と、まだまだ子どもで居たい自分との間の葛藤があり、不安定な心理状態になりやすい時期です。繊細な感性を持つ子にとっては、「私は誰なの?」「生きるってどういうこと?」など、自問自答する日々を過ごすことになりす。』

簡単にまとめると、心と身体の両方が成長・変化する時期です。特に、心である内面の変化によって不登校が引き起こされていると考えられます。

しかし、これだけでは不登校がなぜ起きるのかがわかりません。もう1つのポイントがあります。

ポイント2:不登校は日本だけで起きている

思春期が不登校の原因なら、不登校は日本以外の多くの国でもたくさんいるはずですよね。しかし、詳しく調べてみても小中高で20万人近くも不登校になっているのは日本しかいません。他の国でも、少しは不登校の子はいます。ひきこもりなど精神病を伴う状態の子どもが多いようです。韓国などでも徐々に増えているという調査もあるようですが、数は日本とは比較になりません。

ということは、つまり、不登校は日本社会特有の問題だと言えます。日本の特徴は、今まで多くの社会学者によって分析・研究されています。「菊と刀」(ルース・ベネディクト)の恥の文化や、「タテ社会」(中根千枝)などの分析にあるように、集団に合わせて生きる事を美徳としています。

私たちが不登校の子ども達を教育する中で、高校卒業が近くなった元不登校だった生徒たちに「なぜ、君は学校へ行けなくなったと思う?」と聞く事にしています。すると、多くの子ども達が言ってくれたのは「周りに合わせるのが辛かった。」という言葉でした。アメリカ人に聞くと絶対に返ってこない言葉だと思います。アメリカは個人主義だから、自分の意見を言うことが求められる社会です。日本は逆ですね。自分の意見を言っては行けない。周りに合わせる事が求められる者会です。ここに大きなヒントがあります。

自分らしさを抑えつける不登校の子

私たちが不登校の子を直接観察していると、自己表現する事や自分の意見を言う事を恐れている子が多い事に気が付きました。もちろん、先生の前で自分の意見を言う子は少ないです。そうではなく、友達の前でも自分の意見を遠慮して言わない不登校の子が多いです。

自分らしさを抑えつけて、自分を押し殺すとストレスが発生します。そのストレスを発散する事ができればいいですが、抑えつけることが当たり前になっている子は発散できません。自分の中に溜めこみます。そこから「うつ病」へと発展していく子ども達がいます。

あまりにも、自分自身を抑えつけて周りに必要以上に合わせる事が不登校の特徴の1つと言えます。

ポイント3:感性が豊かな不登校

私たちが25年で数千人の不登校の子ども達に出会ってきた中で、一番強く感じるのは「独特な感性」を持っている事です。感性が豊かでもあり、繊細な感性を持っています。私たちは不登校でない子たちも多く教育していますが、その子たちと比べると差は歴然です。特に感じるのは芸術面での感性です。文章、音楽、絵、演劇などは多くの不登校の子が共通して持っている感性だと思います。

感性とは何なのでしょうか?

時間と空間に本質的に制約されている物質的対象からの刺激を,感官を媒介として受入れる精神の認識能力で,これと対置される知的認識能力に素材を提供する。またはこのような作用の総体をもいう。

(引用:ブリタニカ国際大百科事典より)

簡単に定義すると「物事を心に深く感じ取る働き。感受性。」と国語辞典に書いてあります。これは不登校になる子が共通して持っている才能、生まれ持った能力だと思います。「物事を深く感じ取る」というよりも「敏感に感じ取る」という表現の方が正しいかもしれません。

実際、不登校の子ども達に私たちは様々な事をやってもらいました。例えば、作文を書いてもらうと、独特な表現手法を自然に使ったり、見る視点が違います。まるで作家のような文章を書く子がたくさんいます。音楽でも、特に合唱に興味を示す不登校の子が多いです。絵に関しても、アニメの絵を描いたり、イラストを描いたりします。演劇をさせると、初めてでも役の心の動きを見事に演じる子がたくさんいます。

感性が鋭く、豊かな部分が不登校の3つ目の共通点ポイントということです。

不登校の真の原因

ここまで話してきた不登校の原因には3つのポイントがあることがわかりました。①思春期との関係、②日本社会の特異性、③豊かな感性、この3つです。これらが重なる事で不登校が起きているのです。それでは、詳しく、それぞれがどのように関連しているのか説明していきたいと思います。

不登校になる前

多くの不登校の子たちは、学校の先生や親も認める「真面目で良い子」タイプです。少なくとも、問題行動を起こさず周りに合わせる事ができる子だったと思います。ただし、発達障害・アスペルガー・ADHDなどを理由にした不登校は当てはまりません。生徒会長をやったり、学級委員長、クラブの部長をやっている子もたくさんいます。学校で何かの「長」をやっている子は、先生にとって良い子です。先生の思っている通りに動いてくれて、真面目で、がんばってくれる生徒です。

あるいは、社交性があまりなく、友達も少ないタイプの子もいます。大人しい性格で、周りに合わせて、周りの進む方向へ自分自身も進むような子です。そういう子は性格の違いがあるだけで、不登校の子の共通である「真面目で良い子」に変わりはありません。日本社会の特徴です。

思春期の変化が訪れる

真面目で良い子は周りに合わせる事が上手だった子です。その子にも思春期がやってきます。思春期の一般的なピークは14歳、中学2年生です。しかし、それは平均です。男女で言えば、女の子はもう少し早い傾向があります。早い子だと、小学校の低学年、幼稚園から不登校と言う子もいます。実際、文部科学省のデータでも小学1年生で1200人以上の不登校の子がいます。なので、中学2年生になっていなくとも、思春期が訪れていると考えられます。

思春期が来ると、身体と心の2つに大変化が起きます。

心の変化とは、感情の変化ではありません。感性=感受性の変化です。より深く物事をとらえる感性が変化したのです。変化と言うと、身長が160センチから165センチに伸びたぐらいに考えるかもしれません。不登校の子の感性変化はもっと激しいです。身長が1年で20センチ伸びるぐらい、大変化が起きています。

例えば、野球好きだったスポーツマンの子がクラシック音楽に目覚めるような変化を想像して下さい。劇的な変化ですよね。不登校の子には、これに近いような変化が起きていると考えて下さい。目に見えない変化なので、不登校本人も親も周りも気が付きません。

「何か違和感がある。」と子ども達はよく言います。この言葉が思春期の心の特徴でもあります。自分の変化に気が付いていません。ということは、つまり、今まで合わせられていた学校の雰囲気・環境に合わせるのが難しくなります。

少し整理すると、真面目で良い子で周りに合わせる事をやってきた不登校の子。その子が思春期で大きな変化が起きました。すると、今まで合わせられていた事が合わなくなってきます。ここにストレスが起きています。不登校の子どもの心理状態を理解するには、この部分の認識が必要です。

「何か分からないけど、学校へ行きにくい。」と言う子がいます。それは、学校へ行っても今までのように合わせる事ができないからです。それを不登校の子の脳が感じとっています。それで、ストレスが発生して、頭痛や腹痛、下痢などが症状とした現れてくるのです。それから学校を休むようになります。

合わせる事ができないだけで、なぜ不登校になるのか?

不登校の原因は、「合わせられない」という事がポイントになって来ます。「学校なんて、誰でも少し我慢すれば合わせられる。」と考えるのは、当然だと思います。

しかし、不登校の子は私たちが普通に考えている以上の、何十倍も周りと違いの差が開いてしまっているのです。この差が感性の豊かさという部分に繋がります。人との違いが大きいのです。だから、私たち日本人が普通にしている周りに合わせるという習慣をやろうにしても、ちょっとの努力では合わなくなった。精一杯、自分を押し殺さなければ合わせられない。そこに辛いストレスが生まれてしまっています。

例えば、私たちでも「この音楽は合わないな~」と感じるものがあるはずです。それをずっと家で聞かされていたら嫌になって家を飛び出すと思います。それに似た感覚です。合わそうにも、カラダが拒否して合わない状態です。

不登校後

不登校の初期は、一時的に身体的な症状、体調不良が激しくなる子がいます。保護者が「学校へ行きなさい!」と強く言って、喧嘩になる事があります。玄関の格闘が行われます。あるいは、何かの病気かと心配になって、お医者さんに行き、病院を何軒も回ってくれるお母さんもいます。最後は精神科、心療内科を紹介されます。薬を処方されて、飲んでも改善しない。

この時、子どもは学校を休む事で一時的にストレスから逃れられるので、安定します。しかし、1ヵ月休んだぐらいから、再び不安定になります。真面目で良い子だから、学校を休む罪悪感が強くなるためです。ここからの精神不安定は、不登校の原因とは別の問題です。親のプレッシャーなども関係しています。

原因を解決する「不登校教育」

不登校の原因はこれで大きく理解できたと思います。真面目で良い子で育ち、周りに合わせて生活していた子。その子に思春期がやって来ました。すると、他の子に比べて極端な感性の変化が起きてしまいました。それは持って生まれた感性が花開いたとも言います。しかし、その変化のお陰で、周りに合わせる事ができなくなってしまいました。そこにストレスが起きて、体調不良になり、不登校に発展していきました。

この流れを理解してあげる事が、不登校の子の気持ちに寄り添う事になります。そして、不登校を解決するためにとても重要だと考えています。このサイトでは、不登校の解決法について詳しく話していきますので参考にして下さい。

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