対人恐怖症型不登校

対人恐怖症型不登校
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人に会うのが恐い不登校の子たち

対人恐怖症の状態になる不登校の子はたくさんいます。「人に会うのが恐い。」と言い始めると、家の中に引きこもってしまいます。学校の友達と会うのが嫌だと言って、日中は外出できなくなったりします。外に出るには、いつもマスクを付けている子もいます。人と会いたくないから、夜に外出するようになって、昼夜逆転していく子もいます。

対人恐怖症になってしまうと、気持ちもどんどん下降していきます。学校へ戻りたい気持ちがあっても、人に会うのが恐いから戻れません。対人恐怖症の子をどうやって学校へ戻せばいいのか、改善方法について解説していきます。

人見知りから恐怖症へ発展する不登校

不登校で対人恐怖症になる子は、ほとんどが「人見知り」です。友達とは仲良くできても、知らない人は話せない。そんな子が多いです。あるいは、もともと友達がいなかったり、少なかったりする子も恐怖症へ発展するとなかなか抜け出せません。

対人恐怖症

人見知りが発展すると、対人恐怖症になっていきます。医学的には、社会不安障害とも言います。例えば、赤面症や吃音症(きつおんしょう)など、人前で緊張してしまって、顔が赤くなってしまったり、話が詰まったりする。そこから、人の視線が恐くなってしまう症状がでてきます。強迫神経症ともいいます。すべて、心の問題だと言われています。

対人恐怖症と他の恐怖症の違いについて説明します。視線恐怖症、社会不安障害、社会不安症などは、ほとんど同じ症状です。あがり症なども、基本的には同じです。

「他人からどう思われているだろうか?」「嫌われるのではないか?」「変だと思われていないか?」と気にします。そう思う根底には、自分が価値の無い人間だと思われ、一人ぼっち、孤独になる恐怖心があると言えます。私たちが普通に生活していると、このように感じるのは当然ですが、これが過度に敏感になると、対人恐怖症に発展していくようです。

人見知りの性格を治そうとしたり、心の持ちようだと考えてしまうのですが、対人恐怖症まで発展してしまうと、精神病理学で改善するべきだと言われています。お母さんの中には心理学や自己啓発の本を読んだり、催眠療法や自己暗示法などの民間療法で試してみたり、宗教的なものにすがってしまう人もいますが、改善をしている様子はありません。

ここで注意が必要なのは、対人恐怖症は現代になり、より細かく診断される事があります。先程も話したように、視線恐怖症や社会不安障害、不安症、うつ病などと診断されて、薬物療法で治療していく流れが多いです。大人ならまだしも、小学生・中学生が薬を飲んで精神を安定させないといけない状況は保護者には不安です。

具体的な症状一覧

対人恐怖症の具体的な症状について、それぞれの名称と一緒に解説したいと思います。簡単な症状で、どれにお子様が当てはまるのかが分かると思います。

広場恐怖症・パニック障害

発作が起きたときにすぐに助けを求められなかったり、逃げ出せないような場所を避けるようになる。過呼吸になる人が多い。

赤面症

目上の人や人前、異性など、苦手な相手と接する時に緊張して極度に顔が赤くなってしまう。

視線恐怖

教室や部活動、近所で周りの人の視線が気になり、目線を合わす事ができなくなる。

予期不安

授業やクラブなどで発表や発言しなければならない時に、また緊張してしまったら・・・と不安や恐怖を感じて動けなくなってしまう。

震え恐怖

テストや発表する時などに、手や足が震えてしまう。

表情・笑顔恐怖

表情が不自然だと思われてしまう不安だったり、友達の前でで笑う時に顔が引きつったり、歯が片方だけ出たり、表情がゆがんでしまうって変に思われてしまう不安を感じてしまう。

醜形恐怖

自分の容姿や顔が醜(みに)くく、他人から汚い、ブサイなど思われて笑われていると感じてしまう。

多汗恐怖・発汗恐怖

人前で以上に汗が出てしまうことで、笑われたり、変に思われているのでは、と感じてしまう。

吃音恐怖

学校の授業などで発表する時に最初の言葉が出ず、言葉が詰まってしまうことで話すことが恐怖になる。

おなら恐怖

過敏性代腸症候群などを持っている子で、教室でおならが自然に出てしまい、それが周りに気づかれ、嫌がられるのではないかと感じてしまう。

対人恐怖症を改善する方法

私たちの経験では、対人恐怖症をともなっている不登校の子は一定の割合でいます。一番ひどい子は、1年中、真夏でもマスクをしていたりします。同時に、完璧主義傾向もあります。このタイプの子は、3つのアプローチが必要となります。

1つ目は、少しずつ友達に慣れさせていく事です。急にクラスに戻すことは難しいので、友達1人と話す所から、2人、3人と人数を増やしていき、恐怖心を少し和らげます。完全に消える事はここではありません。親御さんの中には、理屈で話して理解させようとする人がいます。気持ちは分かるのですが、ほとんど効果はあるように感じません。そのせいで親子仲が悪くなる方が多いです。

2つ目は、自信の持てる活動をさせてあげる事です。不登校になる子は、必ず他の子と違う感性や才能を持っています。対人恐怖症にまで発展する不登校の子は感性がとても繊細な傾向があります。その繊細な感性は、違う視点で見ると独特な才能です。子どもの得意な分野の活動を集中してさせてあげて、自信につなげてみて下さい。

3つ目は、失敗と成功の体験です。私たちの学校では行事を通じて、様々な失敗と成功を子ども達に体験させています。対人恐怖症の子は、失敗する事に極度の恐怖心を持っています。それを思いきって体験させてあげることで、慣れさせてあげる。そして、仲間と一緒に成功体験を持たせる事で、他人への恐怖心も減って、自信を持てるようになります。

家庭では共感の会話法などを利用して、良い親子関係を作ってあげる。そうすると、親と自分が協力し合っている状態が作られます。それで不足していた自信を補えます。そうなった時に、友達など家族以外の人と触れ合う、話をする機会を作るといいです。別室登校なども対人恐怖の子には良い解決法ですよ。

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