いじめ型不登校

いじめ型不登校
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いじめられて学校へ行けなくなる子

学校でいじめを受けて不登校になる子がいます。他の不登校の子に比べていじめが原因の不登校は解決が難しいと言われています。人間関係のトラブルや暴力・暴言、無視、陰口、Lineはずしなどがあります。いじめを受けると心に大きな傷が残ってしまうため、対人恐怖症を引き起こしてしまう可能性もあります。なるべく早く学校へ戻してあげて、人間関係を良好に築かせてあげることが必要です。いじめ型不登校の解決策をお教えしていきます。

その他、自分自身はいじめを受けていないけれども、クラスメイトがいじめられている姿を見て不登校になるタイプの子がいます。真面目で心が優しい子ほど、いじめが平然と行われているクラスの雰囲気に耐えられなくなるのです。学校との関係が解決のカギとなります。

不登校になった子で一番最初に親御さんや学校が調べなくてはいけないのが「いじめ」があったかどうかです。いじめがある場合とない場合では不登校の対応方法が全く違うからです。

いじめのタイプ

学校でのいじめにはいくつかタイプが存在します。タイプ別の解決法があるわけではありません。解決法は基本的に共通しています。男女によっていじめの質などが違うため、心理状態にも差が出てきます。お子様のタイプに合わせた声掛けを実践してみて下さい。

①人間関係トラブル・仲間外れ

友達グループの間のトラブルが原因で、グループからいじめられる子がいます。女の子に多いです。女の子は2~3人でグループを作ります。そこでは、常に他のグループを批判し、笑っている状況が繰り返されています。しかし、何かのきっかけでグループ内でからかいの対象になることがあります。そうすると、一気にグループから排除されていきます。この女性同士のグループで見られる現象は大人になっても続きます。

一度、グループから離れると他のグループにも入ることはできません。なぜなら、その子をグループに入れると、元のグループと対立してしまうからです。あくまで表面上は上手く付き合わなければいけないので、仲間外れになった子は孤立してしまうのです。

男の子の場合、クラブ活動で同様の関係が見られます。クラブを辞めたり、あるいは、先輩生徒によるからかいがきっかけで同級生からも、からかわれてしまうのです。同級生は先輩生徒が恐いので、一緒にからかうしかありません。そこで孤立してしまう。

それで耐えられなくて、不登校へ発展していくのです。

②暴力・暴言・からかい・悪口

昔よりも陰湿になっているのが「暴力行為」です。男子生徒間に多い行動です。昔の子ども達は兄弟と柔道やプロレスごっこをしていたりしたので、加減を分かっていました。しかし、今の子は一人っ子が多く格闘技などをした経験がありません。そのため加減が分からず、平気で顔を殴ったり、怪我を負わせたりしてしまうのです。当然、怪我をさせられるような状況になれば学校へ行けなくなる子もいます。

「暴言・からかい」が一番多いと言われています。クラスや学年内で強い地位のあるグループの生徒たちがターゲットを決めて、馬鹿にするのです。加害生徒の本人たちはコミュニケーションのひとつ、お笑いの延長線だと考えています。しかし、フォローがないため、やられている子ども自身はいじめられていると感じるのです。周りが誰も助けてくれない。同じグループの仲間も助けてくれないので、孤立感が増加していきます。

変なニックネームを付けられたりすることは当たり前で、先生の前で暴言を言って、馬鹿にしても、先生も一緒になって馬鹿にするようなケースも報道されています。

これが酷くなると、金銭を要求するようになります。こうなって逃げて不登校を選択する子もいます。

③無視

女子生徒に多いのが「無視」です。最初は、朝の挨拶から無視を初めて、何を言っても無視。無視は一番、自尊心を傷つける行為です。しかも、やっている生徒たちはいじめの証拠がないですから、先生に見つかることもないですし、怒られても、「何もしていない」と言って逃げられます。なので、非常に厄介です。しかし、これはクラスの誰かは気がついています。そこから糸口を掴んでいく必要があります。

④陰口

休み時間などに、グループで対象となる生徒を見て、笑いながら話す行為が一般的です。そして、「陰口」を聞こえるか聞こえないように言っていくのです。これを経験した子は、誰かが自分を見ているだけで、陰口を言われているような気持になるのです。対人恐怖や集団恐怖が出てくるのです。これも、女子生徒に多く、学校の先生もいじめの証拠を見つける事ができないので対応がとても難しくなります。

⑤Lineはずし・いじめメール

子ども達の中でスマホや携帯のいじめが増えています。これは、今までの4つをスマホを使っていじめているのです。「Lineはずし」は女子生徒に多く、男子生徒を含んでクラス全体でやる場合もあります。これに関しては、安易ないじめ行為なため、学校側は証拠がスマホに残っているので対応はしやすいです。

ある女子は、わざと配信先を対象の子にして、間違ったメールを装って馬鹿にしたメールを送ったりします。そして、不登校にさせる、学校へ来させないようにする事が目標になっている場合もあります。

男の子の場合は、スマホを持たせなくとも仲間外れにされることは少ないですが、女の子の場合はコミュニケーションの濃密さが友達関係に反映されます。スマホを持たせない事が逆にいじめを生む可能性があるからです。そういう場合は、しっかり、学校の女性教師を巻き込みながら対応する事が求められます。

クラスメイトがいじめられて不登校

不登校の子の中で、クラスメイトがいじめられている姿を見て、不登校になる子がいます。直接、自分はいじめを受けていないにもかかわらず、学校へ行けなくなるのです。いじめを止める事ができない自分を責めることよりも、その学校の雰囲気に合わせる事ができず、苦しくなるのです。結構、これを理由にした不登校の子は多いです。ある子は「次は、自分かもしれない。」と恐怖心を学校に持ってしまった子もいました。

クラスが荒れている状況を止める事ができない学校側の問題もあります。学校を信じられなくなったと言う不登校の子もいました。

いじめ型不登校を学校へ戻す3つの方法

必ずしも、いじめを受けたら不登校になるわけではありません。いじめを受けている子の多くは不登校になりません。不登校になる子に共通している「繊細な感性」を持っている子しか、いじめを受けても不登校になりません。この認識はしっかりと持ってほしいと思います。

基本的に、いじめの場合、加害生徒が親や先生の前で謝罪しても安心はできません。そもそも大人の目を盗んで陰でいじめをしていた子たちです。大人の前では謝っても、再び、陰でいじめをする可能性はとても高いです。大人と子どもは全く違う世界で生きています。

ですから、加害生徒が謝っても学校へ行けない子がほとんどです。加害生徒が学校に居る以上は戻る事ができない可能性が高い事は理解して下さい。

いじめを受けた子は心に深い傷を負っています。親の前では、良い子をやっていますが、心の奥底は傷がついています。その傷があるうちは、人を信用する事ができません。それを一度謝られたぐらいで治るわけではないです。しっかりと対応していかなければいけません。

そのうえで、いじめから抜け出す方法は3つあります。

いじめられた子を強くすることはすぐにはできません。いじめられたのだから、やり返せばいい、と考える親御さんもいます。しかし、それは今すぐにやる対処法ではありません。学校へ戻れてからやるべき事です。いじめ型不登校の対処法は主に下記の3つしかありません。

①クラス替え

加害生徒と一緒のクラスにしないことです。その生徒がクラスに居る以上、子どもは安心感を持てません。安心して学校生活を過ごさせる為に、学校と相談してクラス替えをしてもらう事です。学期途中には難しいと言われる学校が多いです。その場合は、新しい学期で変更するなどを求める事です。

何度も言いますが、加害生徒がいるクラスにすぐに戻す行為は、再びいじめられる可能性が高いです。子どもを守る為にも、学校としっかり協議して下さい。とても効果のある方法です。

②新しい友達グループ

仲間外れにされたり、グループから孤立している子は、新しい友達グループを作ってあげる事が必要です。特に、学年やクラスで面倒見の良い生徒に先生から事情を説明してもらい、グループに入れてもらうように説得する事です。この方法で安心して学校へ通えるようになった子が多くいます。

もちろん、これも常に先生がバックについて、グループの状況を把握して指導してもらう必要があります。

③転校

最終手段は、転校です。残念ながら公立学校の場合、加害生徒が学校を退学・進路変更することはありません。私立学校の場合は、いじめをした生徒は退学になるのがほとんどです。そのため、加害生徒は常に学校に居る事になります。その生徒が居ると恐怖心が消えず、学校へ戻れない子がほとんどです。

そこで、最後は自分が転校するしか学校へ戻れません。私たちの学校にもそのような子が多く転校してきますので、事情はよくわかっています。

いじめを受けた被害者の方が逃げるように転校しなければいけないのが現実です。どれだけ文句を言おうとも、ここ数十年変化は見られません。家にずっといるよりは、新しい学校でスタートすることの方が子どもには大切です。良く考えて、大人の判断をして下さい。

・・・

このように、いじめ型不登校の子は不登校の問題に「いじめ」がプラスされるため、解決が難しいです。最後は転校しか方法がない子もたくさんいます。そうならないためにも、しっかり学校側と協議をし、加害生徒の親御さんとも話し合いながら対応して下さい。

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