不登校専門のカウンセラーを利用して改善する方法
不登校の子どもの心の中を知るために、カウンセラーを利用しましょう。カウンセラーの先生の客観的な目線で、親子関係の問題点や不登校の原因を探る事ができます。保護者だけがカウンセラーに相談するだけでも、冷静に子どもへの接し方を見つめ直せます。心療内科・精神科、スクールカウンセラー、心理カウンセラー、家庭教師カウンセラーなど、カウンセリングの内容・料金・選ぶポイントを解説します。新しい視点で不登校の子どもに接するきっかけとして、優良なカウンセラーの選び方についてお教えします。
多くの不登校の親御さんは、カウンセラーを利用したけど、改善しない経験をお持ちです。高い料金だけを支払って、成果がなければ無駄に終わってしまいます。そうならないように不登校の専門家からのアドバイスをします。
不登校カウンセラーの種類
不登校対応しているカウンセラーにはいくつかの種類があります。それぞれの専門家によって得意とする点と、苦手としている点があります。それぞれの特徴を知った上で相談するといいでしょう。
心療内科医・精神科医
医師免許を持った先生によるカウンセリングになります。不登校の子どもの中で精神症状・精神障害などの症状を持っている子を得意としています。親子関係の悩みなどを相談する場合には、あまり効果的ではありません。医学的な分析によるカウンセリングとなるので、思春期外来などでも医学的見地によるアドバイスとなります。
お医者さんがよく言うのは「お母さん一人で病院に来られても、私たちはどうすることもできない。」というものです。特徴のある精神症状が出ているならアドバイスはできますが、不登校になっただけで相談されても難しいと言います。多くの場合、朝起きない「起立性調節障害」と診断されて睡眠導入剤などが処方されます。あなたの期待しているような具体的なカウンセリングは少ないです。
心理療法士・心理カウンセラー
不登校カウンセラーと呼ばれているカウンセリングの先生は心理カウンセラーに属します。親子関係の相談から、子どもの本音を探るカウンセリングをやってもらえます。ただし、臨床心理士とは違い、「心理療法士」・「心理カウンセラー」は資格が必要ありません。どこかの一般社団法人や協会などが独自に出している資格を持っている人が多いです。
ただし、カウンセラーと言っても、特別の経験の無い人もたくさんいます。不登校専門と言っても、学校現場で教育した訳でもありませんので、学校へ戻す事に期待するのは過大です。
むしろ、子どもの背中を押したり、親には言えない悩みを聞いてくれる事が中心になります。不登校の子どもを抱えて、誰にも相談する事ができない人にはお勧めです。費用としては、一番高額になります。
不登校向け家庭教師カウンセラー
現在、不登校向けの家庭教師を提供してくれている会社があります。基本的には大学生が来るのですが、不登校について事前に知識を入れて対応してくれます。勉強を教えながら、しっかりと人間関係を作ってくれることができます。ただし、大学生なのでカウンセリング技術があるわけではないです。経験も少ないです。大学生と子どもが合わない可能性もあります。その場合は、違う大学生をお願いした方がいいです。
このサービスは首都圏などが基本となっていますので、地方では受けられないことが多いです。その代わりに個別指導塾や個人経営の塾などで、不登校向けの対応をしてくれていたりしますので、調べてみて下さい。
スクールカウンセラー
教育委員会が採用しているカウンセリング担当の先生をスクールカウンセラーと言います。元校長先生や臨床心理士の先生が各学校を定期的に巡回しています。臨床心理士の場合、日本臨床心理士資格認定協会の資格を取得しています。大学院を卒業している必要がありますので、高度な知識を持っています。『不登校をスクールカウンセリングで解決する方法』でも詳しい解決方法をご紹介しています。
当然、教育委員会が設置しているので無料でカウンセリングを受ける事ができます。しかし、学校に不登校の子はたくさんいるので、予約制のところがほとんどです。希望する日時には満員の可能性もあります。
スクールカウンセラーは学校側と密に連絡を取ってくれているので、学校側にも不登校への対応をアドバイスしてもらえます。また、元校長先生などの場合は、豊富な教師経験からアドバイスをしてもらえるので、安心して相談できます。ただし、子どもとの年齢差が大きいので、子どもがカウンセリングで本音を話してくれるかどうかはわかりません。
カウンセリング費用・料金の比較
それぞれのカウンセラーで費用は異なります。カウンセリング料金の比較をしたいと思います。正確な金額は、各会社や病院で違いますが、大まかに調べるとこれぐらいになります。
- 心療内科・精神科・・・30分・2000円程度(通常診察費に含まれる)
- 心理療法士・心理カウンセラー・・・1時間5000円~1万円(初回30分は無料)
- 不登校向け家庭教師・・・1時間4000円~6000円(月4回で2万円前後)
- スクールカウンセラー・・・1時間無料
カウンセリングを利用して不登校を動かすポイント
不登校のカンセリングを受けても、学校復帰ができない人がたくさんいます。それは、カウンセリングを過大評価しているからです。実は、不登校は「心の問題」でなっているわけではありません。「不登校の原因」をきちんと理解する必要があります。
しかし、不登校になった後、心の問題が出てきます。親子関係のスレ違いもあります。これらを解決・解消するためにカウンセラーを利用することが大切です。親子関係や子どもの心のひっかかりを無くすために、カウンセラーを利用します。そして、家の中では親子関係も良好で、子どもも元気に過ごせるようになって、ようやく学校復帰の為のアプローチが始まります。
私たちが不登校を解決するために優良だと考えるカウンセラーは、1回のカウンセリングで終えられる人です。2回目、3回目もカウンセリングを続けることを要求する人はおすすめできません。
プロのカウンセラーや教育者は、一瞬で子どもの問題点を見抜いてしまいます。そして、それを解決する為の適切なアプローチを指示してくれます。あいまいなアドバイスはしません。的確で相談者が理解できるアドバイスをしてくれます。特に、心理カウンセラーなど高額のカウンセリング費用が必要な場合は、最初に無料の30分の相談があるので、そこで優良かどうかを判断して下さい。
間違っても、何度も何度もカウンセリングを受けようとしないことです。不登校の解決ではなくて、親が自分の悩みを相談する場所になっている人もいます。親のわだかまりを解決しても、不登校は解決しません。注意が必要です。
不登校を動かすカウンセリングの効果的な使い方として、「不登校の子どもに決断させる」カウンセリングです。子どもの悩みや気持ちを聞いてくれるだけでなく、最後に必ず、子どもにこれからどうするのか、どうすべきだと考えるのかを、子ども自身に結論を出させる事です。一歩前へ進むには、子どもの決断が必要です。それを引き出す為のカウンセリングであるべきです。ぜひ、参考にしてみて下さいね。